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大阪高等裁判所 昭和62年(ネ)2207号 判決

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

一  控訴人は、「1 原判決を次のとおり変更する。2 控訴人は被控訴人に対し、訴外高田耕司から金一三〇〇万円の支払を受けるのと引換えに、原判決添付別紙目録二記載の建物を収去して、同目録一記載の土地のうち右建物敷地部分を明け渡せ。3 被控訴人のその余の請求を棄却する。4 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人は、主文と同旨の判決を求めた。

二  当事者双方の主張は、次のとおり訂正、附加するほか、原判決事実摘示のとおりであり、証拠関係は、原審記録中の証拠目録に記載のとおりであるから、これらを引用する。

原判決二枚目裏九行目の「相当賃料額」を「賃料相当額」と訂正する。

同三枚目表二行目の「不法行為による」を「控訴人は、前記本件敷地部分を何らの権限もなく占有しているものであるから、不法行為による」と改める。

同裏二行目の「右二〇番の土地等は、」を「右のうち二〇番の土地は、」と改める。

理由

一  当裁判所も、原審と同様に、被控訴人の本訴請求は、控訴人が被控訴人に対し、控訴人が訴外高田耕司から金一九〇万八六二四円の支払を受けるのと引換えに本件建物を収去して本件土地のうちの本件敷地部分の明渡しを求める限度で理由があるから、これを認容し、その余の請求は理由がないから、これを棄却すべきものと判断する。

その理由は、次のとおり訂正、附加するほか、原判決理由説示のとおりであるから、これを引用する。

原判決五枚目表一行目の「借受け」を「借り受け」と訂正し、三行目の「自己に」を「、北川から自己に売買を原因とする」と、九行目の「六月」を「六月二六日」と、一〇行目の「七月」を「七月二日」と各改め、末行目の「覆す」を「覆えす」と訂正する。

同六枚目裏六行目の「右工事」を「一部残された右舗装工事」と改め、同九行目の「本件土地についても」の次に「、右昭和五九年八月までには既に右」を、同「完成していたところ、」の次に「それ以前、」を各加える。

同七枚目表七行目の「占有している。」を「占有しており、従って、控訴人は、前示請負契約を締結し、その履行として同造成工事に着手して以降、継続して本件土地を占有し続けていることになる。」を加える。

同裏末行目の「取得し、」を「適法に取得し、」と改める。

同八枚目表二行目の「譲渡担保に受け、」を「譲渡担保として譲り受け、その旨の」と、三行目の「弁済期は」を「右譲渡担保の被担保債権の弁済期は右同日より」と各改める。

同裏四行目の「本件土地のための費用」を「本件土地そのものの費用、即ち、民法二九五条にいう「その物に関して生じた債権」に該当する」を、同七行目の「認められ、」の次に「これによれば、」を、同「被告は」の次に「、その都度右占有を放棄し、従ってこれについての」を各加え、同九行目の「相当」を「適当」と、一〇行目の「それは、」を「これらの観点からすれば、本件土地についての留置権によって担保されるべき被担保債権の額は、」と末行目の「公平上相当」を「適当」と各改める。

同九枚目表三行目の「約六五〇坪」の次に「(二一四五平方メートル)」を加える。

二  右訂正して引用した原判決の認定、判断は、その挙示する各証拠及び弁論の全趣旨に照らして肯認することができ、他に、右認定、判断を左右するに足りる証拠はない。

三  よって、前示の限度で被控訴人の請求を認容し、その余の請求を棄却した原判決は相当であり、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、控訴費用の負担について民訴法九五条、八九条を適用して主文のとおり判決する。

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